【読書レビュー】『生きる意味』 上田 紀行
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★☆
■タイトル:『生きる意味』
■著者:上田 紀行
1958年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了。文化人類学。
東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授。人間の「癒やし」を多方面から追求しつづけている。
<著者の主張>
私たちが今直面しているのは「生きる意味の不況」である。
<ポイント>
豊かではあるが、「生きる意味」が見えない。それは若者だけの問題ではない。
1998年から6年間連続して自殺者の数は年間3万人を越えた。
私たちはいつのまにか「他の人が欲しがるような人生をあなたも欲しがりなさい。」という人生観を植え付けられてしまっている。
「グローバル・スタンダード」への道だとの主張のもとに敢行されている日本の「構造改革」は世界的に見ても決して「スタンダード」を目指すものだとは言えない。それはグローバリズムという名の下に新自由主義の弱肉強食的なイデオロギーをスタンダードとして導入する試み
⇒「協力」の発想の欠如
「人々が求めているのは必ずしも市場の「競争」によって生まれる安いサービスやモノだけではない。日々の生活には「協力」に基づく人間的な触れ合いや、損得勘定では割り切れない安心や安全も必要。
抗癌剤によって2年の寿命が3年に延びることは、実際には必ずしも最善の決定とは言えない。 (誰のため?その人の「生きる意味」の中で解釈されるべき)
数字信仰からQOL社会へ(クオリティ・オブ・ライフ)
意味の創造者としての「私」
意味を生み出す自由 ⇒「釣りバカ」のハマちゃんは強い
内的成長
「生きる意味」の成長。 ⇒ワクワクと苦悩は内的成長のチャンス
※悩む度に人生の転機が訪れるとワクワクする
⇒他人から支えられることで大きなエネルギーを得る。「豊かな」コミュニケーションとそれが実現する社会づくり
押し付けられた「生きる意味」ではなく、自分自身の人生を取り戻すこと、我がままに生きよう。
オリジナリティーとは、他人との差ではなく自分自信のオリジンがあること。
■跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)
[名](スル)悪者などが勢力をふるい、好き勝手にふるまうこと。「悪徳商法が―する」