【読書レビュー】『ヤンキーの虎』 藤野 英人
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『ヤンキーの虎』
■著者:藤野 英人
レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者。
1966年富山県生まれ。90年早稲田大学法学部を卒業。野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)を経て、96年ジャーディン・フレミング投信・投資顧問(現:JPモルガン・アセット・マネジメント)に入社。中小型株のファンドの運用に携わり、500億円を2800億円にまで殖やしたカリスマファンドマネージャー。
<著者の主張>
ヤンキーの虎
地方を本拠地にして、地方でミニコングロマリット(様々な業種・業務に参入している企業体)化している、地方土着の企業。あるいは起業家。
<ポイント>
ヤンキーの虎は一貫性はないが多角的に儲けている
順調な理由は、
1)地銀や信用金庫の存在
2)地方ではリスクをとってビジネスを拡大させようとする人が、都会に比べるとはるかに少ない
ベンチャーの虎
東京などの都市部で新しいビジネスを興しているベンチャー企業の経営者
⇒高齢化が進む地方では、介護の需要が大きいから
過去の学歴など関係なく、実力が全ての世界
1)成り上がり型:無学歴でもフランチャイズ化の波に乗って気合と根性で事業を拡大
2)地盤引き継ぎ型:地域の名士の跡取り、本業を元に事業を多角化
セミナーなどで東京の情報を仕入れる
ミニタイムマシン経営
運を大切にする
一度失敗したとしても、もう一度やれば成功するかもしれない。少しやり方を変えれば、成功するかもしれない。
伸びている中小企業に共通することは経営者が人材育成に強い興味をもっている
人材確保には「誇れる会社」をつくることが必須。(お金よりも仲間を大事にする会社、社長が社員をお客さんと考える)
地方ビジネスの課題
⇒社会的地位の低さ。解決するためには数の力が必要
人を確保するだけでは意味がない。人材育成が鍵。
⇒人が成長しただけ、企業は成長する。人の成長なくして、企業の成長なし。
ヤンキーの虎にとって地方はナショナルブランド企業の養成学校
⇒ヤマダ電機、ニトリ、ユニクロ、ドン・キホーテ、しまむら、イオン、CoCo壱番屋、スーパーホテルは元ヤンキーの虎
伊藤レポート
日本経済の低調の原因
1)大企業の経営者 ⇒ちゃんと経営=「問題を起こさない」、大きな成功にインセンティブがない
2)機関投資家 ⇒サラリーマン化。大きな会社の株を買えば安心だ
ROEが5年で5%を下回ったら、社長はクビにしろ
動く人と動かない人の二極化