【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『人事よ、ススメ! ―先進的な企業の「学び」を描く「ラーニングイノベーション論」の12講』 中原 淳

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

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■お薦め度:

 

■タイトル:『人事よ、ススメ! ―先進的な企業の「学び」を描く「ラーニングイノベーション論」の12講』

 

■著者:中原 淳

1975年北海道生まれ。東京大学教育学部卒業。大阪大学博士号(人間科学)取得。東京大学大学総合教育センター准教授。

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<著者の主張>

 

 

<ポイント>

最近、反転授業が注目されている社会的背景には、現代社会の特徴である「メディアによってつくりだされた関節経験の肥大化」と「直接経験の価値の重要さ」。

 ⇒情報メディアが発達する社会では、関節経験が肥大化する

 ⇒直接経験の価値が高くなる

 

マネージャーの成長に影響を与える要因

 仕事70:他者20:研修・書籍10

 

マネージャーとして成長する人の共通項は新しい事への挑戦

 

30代になると成長が止まりがち

 

ストレッチ

できるかどうか分からない挑戦、背伸びすれば、またはジャンプしたら届きそうなことが好ましい

会社内ではストレッチ経験は無償で与えられるわけではありません。目の前の仕事で確り成果を出して、自分で呼び込まなければならない。

 

アンラーニング

リフレクションし、通用しなくなった戦法を捨て、新しい戦法を取り入れる

リフレクションは自分がスランプに陥ったり、ルーティンに陥っている時に効果的なヒントを与えてくれる

 

他者の育成を手がけない限り、自分の能力を向上させることはできない。 ドラッカー

他者のことを考えながら、自分の能力を高めようとする「思い」が成長の原動力になる

 

OJT

1)やってみせる

2)説明する

3)やらせる

4)チェックする

 

■脳のダウンシフト

人間は、自分で「嫌だ」と思った瞬間は実は限界ではない

自分で思うよりもっと「できる自分」がいる

 ⇒丸太渡り、高い所だとできなくなるが、低ければできる

 

脳のダウンシフトがおこると「できない自分」ばかりに出会い続けることになる

 避ける方法

 1)オープンエンドな選択肢があること

 2)個人的に意味があり、実際に生きる力につながっていること

 3)内発的動機が重要視されていること。

 4)時間の余裕をもつこと

 5)課題に取り組む際に、サポートされていること

 

戦略的人的資源管理とは、「経営に資する人材マネジメント」

 1)戦略達成支援

 利益に人材マネジメントを直接フィットさせるわけではなく、戦略に人材マネジメントをフィットさせることが必要

 ⇒普通の人が、普通に仕事にエンゲージしている状況をいかに構築するか

 

人に変わってもらうために重要なことは、モチベーションや信頼、コミットメントといった「目に見えない資源の管理」

 

そもそも自分の所属する人事部が社内外でどんなコミュニケーションをとっていて、誰とやりとりしているのか把握しておいたほうがよい

 

企業にとって種火は経営理念

経営理念とは内と外を分け隔て、組織内の一体感を高める価値観・信念

 

スターバックスジャパン

1996年1号店出店⇒100店舗規模で拡大

2002年に赤字を経験⇒マネジメントをダイナミックに改善し、V字回復

 

経営者の資質は自分以外の人の意見をいかに聞けるかにかかっている

現場の空気感を上層部に伝えるのは人事の大切な仕事

 

ファシリテーター

メンバーの個性を尊重する

 

楽しむ輪を広げることは、人材開発部門ができる大きな仕事

 

 

あなたは今やっている仕事を答えられますか?それともいまやっている仕事の提供価値を答えられますか?

ドゥアブル

自分ができること

 

デリバラブル=提供価値

誰かに役立つこと

 

HPの創業者デイビット・パッカード

1000人まで人事部はいらない

人事部の仕事が全てのマネージャーの仕事

 

世の中にはUnhelpfulなhelpに満ち溢れている

⇒相手にとって本当に支援にならない仕事

 

リーダーシップはパフォーマンスとメンテナンス(集団維持能力)の2つの能力で構成

 ⇒ビジネスの世界における行動の原理がタスク中心になりすぎていて、心配や心の面のメンテナンスが全然できていない。

 ⇒機械ですらメンテナンスが必要

 

人事部の役割は、経営の質を高めること

 ⇒メンテナンス的なことを行う人事が、タスク的な企業戦略としっかり結びつくことが大切

 

GEジャック・ウェルチ

CEOの仕事の8〜9割は人の問題

 

支援者が陥りやすい罠

時期尚早に知恵を与える

 

社会構成主義

真実や問題解決は、人々の相互作用から生まれる

 

学習環境デザイン

魚を飼うということは、水を飼うことである。 糸井重里

 ⇒環境が大事

 

自律性・主体性がない交流ゾーンをつくっても無意味

 

インプロビゼーション

インプロ/即興演劇:シナリオのない演劇

医者の診断に似ている。「今日は絶対CTスキャンをとるぞ」はない

⇒相手に合わせて対応しなければいけない

 

イノベーションな個人がいることより、集団がイノベーションにクリエイティブな状態になることが大切

 

大喜利で求められる唯一のことは、つまらなくてもなんでも「すぐに言う勇気」

 

社会人の場合一番気をつけるべきは研修の冒頭

価値付け、効力付け、支援付けという動機の3要素をキチンとおさえること

研修の最大の目的は、学び続ける人を作っていくこと

 

サイバーエージェント 

褒めるための表彰は白けの温床

成果だけを評価対象とせずに、人間性や人望のある人を表彰する

 

ANDの才能

AとBの悩みがあったときに両方を解決できるのが生き残れる会社

 

リーダーを育てたければ、リーダーをやらせるしかない