【読書レビュー】『戦略思考の広報マネジメント』 企業広報戦略研究所 (著, 編集), 清水 正道 (監修)
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★☆☆
■タイトル:『戦略思考の広報マネジメント』
■企業広報戦略研究所 (著, 編集), 清水 正道 (監修)
企業広報戦略研究所
株式会社電通パブリック・リレーションズ内に設立された研究組織。企業経営や広報の専門家と連携して、企業の広報戦略や体制などについて調査・分析・研究を行っている。
清水正道
日本広報学会、理事長。日本能率協会広報部長・主任研究員を経て淑徳大学教授に就任。2014年からCCI研究所代表。
<著者の主張>
日本企業には広報に長期的戦略がない。
広報の目指すゴールとは、「良い経営環境を構築すること」
そのために「広報戦略」が必要。
<ポイント>
広報活動のオクトパスモデル
・自社や競合の評判を収集・把握する「情報収集力」
・収集情報に基づき、課題を洞察する「情報分析力」
・広報戦略の構築と目標管理・見直しを実行する「戦略構築力」
・相手に合わせてメッセージを開発する「情報創造力」
・複数の情報発信手法を複合的に駆使する「情報発信力」
・重点ステークホルダーと信頼関係を高める「関係構築力」
・リスクの予測・予防や緊急対応スキルの維持向上「危機管理能力」
・経営と広報の一体活動のための意志決定「広報組織力」
自分視点だけでなく、メディア視点での発信が必要。
メディアが報道したくなるニュースづくりの視点(IMPAKT)
Inverse:逆説、対立構造「低価格をやめます」「ハイブリッドVS電気自動車」
Most:最上、初もの、独自視点
Public:社会性、地域性「地方再生」
Actor/Actress:役者、人情「社長自らお客様のトイレ掃除」「ロボットが小学校で特別授業」
Keyword:キーワード、数字
Trend:時流、世相、季節性
ヤフーニュース トピックスの軸
・公共性の高いものを掲出する
・多くの人の興味・関心のある話題を掲出する
ニュースの断片化
速報を追いかけることがあまりにも重視されすぎている。
広報とは基本的に会社全体の営業担当であるべき。行動力に課題。
書き方よりも人間関係のつくり方が大事
スターバックスの広報戦略
・統一されたメッセージを届ける
・中長期的な視野にたつ
・驚きと楽しさ溢れるストーリー
・カスタマーのロイヤリティを高める
情報は一気に出さないと気泡になる。
広報の成果は「定量」より「定性」を重視
ソートリーダーシップ:実践的先駆者
自らの思考と実践によって新たな枠組みや価値を提示していくリーダーの行動のこと
オラクル本社では、コンテントセントラルという専門の部署を設け、専門誌の記者やライターを採用、メッセージ性の高いコンテンツを作るというクリエイティブな業務を強化。
広報は社外的には全社の窓口。社内では部門間のつなぎ役。
真摯な企業姿勢は一次対応に表れる
■用語
コーポレート・レピュテーション:企業の社会評価
CSV:Creating Shared Value(共有価値の創出)