【読書レビュー】『採用学』 服部 泰宏
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『採用学』
■著者:服部 泰宏
1980年、神奈川県生まれ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授。神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程終了後、滋賀大学経済学部専任講師、准教授を経て、現在に至る。
<著者の主張>
採用は科学することができる
<ポイント>
マネーボールでおきたこと
科学的手法に基づくドラフト戦略や若手選手の育成によって、極めて資金力の乏しい弱小チームがメジャーリーグ屈指の名門球団にまでなったサクセスストーリー
ビリー・ビーンはヒット率や打点といったいままでの常識を疑い、出塁率に注目
企業はなぜ採用をするのか?
1)経営戦略の実現のために不足している人材の獲得
2)職場や組織の活性化
ワナウスの2つのマッチング
個人が組織に参入し、そこで上手くやっていくためには2つのマッチングが必要
1)個人が会社に対して求めるものと会社が提供するものとのマッチング:期待のマッチング
2)能力のマッチング
近年になるにつれて企業の採用基準として学歴の優先順位が下がってきている。
かわりに柔軟性や目標実行力、チャレンジ精神、前向きさが上位を占める
コミュニケーション能力、協調性、主体性、チャレンジ精神
求職者に対してその企業が魅力的にみえるような情報を提示して、応募者の数を多くした上で、その上澄みにあたる人たちを選抜する
⇒それが企業にとっても求職者にとっても良くない結果をもたらすということが日米の実証研究で報告される
⇒母集団形成のための過度な魅力づけ、入社後の幻滅に:リアリティ・ショック
現実路線の採用
全ての適切な情報をゆがめることなく求職者に対して伝える
求職者の悩み:どの会社が自分にとって良いのかわからない、自信がもてない
1)自分は今から大きな決断をしようとしている
2)にもかかわらず、この会社にはいることが正しいことか確信がもてない
入り口の多様さ
採用におけるリスクの分散
人材の多様化
口づて採用
非公式なルートから得た情報に基いて採用した人材は、企業に長期間とどまる可能性が高い
現実的な情報仮説
結局、自社の採用基準は自社で紡ぎだしていくしかない
採用基準:理想ばかりに
何を見るかではなく何を見ないかを設ける
採用力=採用リソースの豊富さ×採用デザイン力