【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『まんがで身につく アドラー 明日を変える心理学』 鈴木 義也

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

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■お薦め度:★★

 

■タイトル:『まんがで身につく アドラー 明日を変える心理学』

 

■著者:鈴木 義也

東洋学院大学人間科学部教授。日本臨床・教育アドラー心理学研究会会長。臨床心理士/学校心理士/支援助言士 

 

<著者の主張>

アドラー心理学について

 

<ポイント>

1)優越感と劣等感

「主観的な劣等感」人からみたら大したことがないことでも本人が重大な欠点だと感じている

⇔「客観的な劣等感」

劣等感を何かで穴埋めするために、別の分野で勝とうとする。

 ⇒劣等感を優越感で補おうとする

 

優越感の追求は劣等感の表れ 

⇒劣等感や優越感の次元から脱却し、全ての人は唯一で独自でありながらも対等で尊重されるべき存在。

 

2)ライフ・タスク

人は誰もが、「仕事」「交友」「愛」の3つのライフ・タスク(人生の課題)に直面する

ライフ・タスクは人生の試金石。その人がどのライフ・タスクに取り組んでいるかがどのように対処しているかに、その人らしさが表れる。

 

また、取り組む態度には「有益な側面」に向かう場合と「無益な側面」に向かう場合がある。

 

有益な側面:適切な行動、高い共同体感覚、勇気、挑戦する力、積極的対処、能動的、主体的な態度

 

無益な側面:不適切な行動、低い共同体感覚、勇気の減少、劣等感・優越感へのとらわれなどによる消極的対処、受動的態度

 

※試金石:ある物事の価値、人物の力量を見きわめる試験になるような物事。

 

3)課題の分離

「自分の課題」(自分が逃げられない、しなければいけないと感じている課題)と思い込んでいることが、実は「別の人の課題」であったということも少なくなく、自分を責めたり、追い込んでしまう。

⇒課題や責任の混同

 

人と自分の課題を区別する勇気が大切。

 

4)家族会議

人間関係で役割によって、一方にことが運んでしまい。一方に不満が溜まることがある。人間同士は対等であり、会議が大切。

 

会議:

互いが意見を述べ、それを互いに尊重しながら、丁寧に話し合いして合意に達していく話し合いの場。全員が参加することが大切。

 

「Iメッセージ」が大切。⇒「私は◯◯だと思うよ」

 

5)意味付け

自分の主観によって、世界を見ている

 

アドラーは、人生についての意味付けは子供の頃に形成されている。

「われわれが人生に与える意味は、われわれの人生の歩みの守護天使、あるいはつきまとう悪霊のように作用するがゆえに、(略)もしそれらが重大な過ちを含んでいるとすれば、どのように是正されるかを理解することは、最高に重要なことである」

 

自分の意味付けをあぶり出すには、自分が自分に対している定義、つまり「本当のところ自分のことをどう思っているのか」を自問することが重要。

 

6)ライフスタイル

ライフスタイルとは役割と自分の意味づけが織り成して作られるもの。

ライフスタイルは7歳くらいに1つの型として形成される。⇒生きる傾向が生まれる

無意識のうちに愛用するライフスタイルを決めている。 ⇒今までのライフスタイルで対処できないことが起こったときに戸惑い、悩む

人それぞれ違うこのライフスタイルをじっくり見つめなおし、必要なら適切なものに「変わる勇気」を勧めている。

 

7)不完全である勇気

どれほど、一生懸命やったとしても人間は不完全であり至らないところがたくさんある。

自分の想定とは違うというギャップを寛大に受け入れていく心の大きさや強さを「不完全である勇気」と呼ぶ。

 

完全さよりも行動が大切

「不完全な勇気」は「挑戦する勇気」と表裏一体

 

8)共同体感覚

組織・共同体(コミュニティ)は共同体組織(ゲマインシャフト)と機能体組織(ゲゼルシャフト)の2つに大きく別れる。

 

共同体組織:人間関係の豊かさを求める

機能体組織:物質的な利潤・利益を求める

 

人間関係の中に幸福がある。

「持ちつ持たれつ」「お互いさま」という感覚の生き方によって自他ともに幸福になれる。

 

勇気をもつこと。自分で決めること。責任をもつこと。協力すること。人を大切にすること。人の役に立つことなどを通じて幸せを築くことができる。