【読書レビュー】『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』 エリック・シュミット
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』
■著者:エリック・シュミット
グーグル取締役会長。2001年から2011年までCEOを務めた。同社がシリコンバレーのベンチャー企業から、年商550億ドル、世界40カ国以上にオフィスを持つハイテク業界の世界的リーダーへ成長するのに貢献。
■著者の主張
グーグルで成功するにはビジネスとマネジメントの方法を全て学び直さなければならない。
1)文化
スマートクリエイティブ。好奇心旺盛で現状に満足せず、常に疑問を抱く。自発的。発言者の立場でなく、アイディアの質自体で評価する。
例
役割にとらわれることがない。ラリー・ペイジはグーグルで気に入らない広告が表示されたウェブページを印刷して、「この広告はムカつく!」と書いて会社の掲示板に貼りだして、一切会議の招集することはなかった。
そこから、ジェフらが「広告適合度スコア」の仕組みを生み出したことで、グーグルの「アドワーズ」エンジンの基礎が生まれ数十億ドルのビジネスが誕生した。
※驚くべきことに、問題解決をしたジェフらは広告担当チームではなかった。
スマートクリエイティブでは、職場を選ぶ上で一番重視するのは「文化」である。
2)戦略
「事業計画ではなく、人に投資せよ」
市場調査ではなく、技術的アイデアに賭ける。
優れたプロダクトはいずれも事業上の戦略ではなく、技術的要因によって成功を収めていたのに対し、結果を挙げていないプロダクトはどれも技術的な個性を欠いていた。
成長を最優先するために非常に重要なことが「エコシステム」。インターネットの世紀に大きな成功を掴むリーダーとは、プラットフォームを生み出し、一気に成長させる方法をしっている人物。
3)人材
経営者にとって、採用は一番大切な仕事。
群れ効果:Aクラスの人材はAクラスを採用するが、BクラスはCクラスやDクラスを採用する。
ラーニング・アニマルを採用する。:大切なのは優秀な人材が「何を知っているか」ではなく「これから何を学ぶか」だ。
人格と同じくらい重要なのは、おもしろい人物かどうか。
ビジネスパーソンが磨くべき最も重要なスキルは面接スキル。
面接時間は30分
4)意思決定
何をするか決定する前にまず状況分析をすることが大切。
CEOに必要なことは、自尊心を抑え、他の人に意思決定を委ねること。
リーダーがコントロールできるものは、社内のスケジュール。
収益を稼ぐ事業(コアビジネス)に八割の時間をかけよ。
会社を愛することは、会社をさるための計画を準備すること。
一流のスポーツ選手には、一流のコーチがいる。
5)コミュニケーション
成功を収めている経営者は、情報を囲い込んだりしない。
オフィスでは会話のチャンスは減っている。
6)イノベーション
イノベーションとは「新たな大ブーム」をつくりだすこと。
イノベーションは、起こせという必要はない。自由さえ与えれば、イノベーションは自然発生する。
「最初のフォロワーが孤独な愚か者をリーダーに変える」