【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『巨象も踊る』 ルイス・V・ガースナー

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

f:id:manganogakumon:20160509060343p:plain

■お薦め度:☆☆

 

■タイトル:『巨象も踊る』

 

■著者:ルイス・V・ガースナー

1942年ニューヨーク州生まれ。63年ダートマス大学工学部卒業。65年ハーバード大学ビジネススクールMBAを取得。同年マッキンゼー入社。77年アメリカン・エキスプレスに旅行関連サービスグループの責任者として入社。89年に合併後のRJRナビスコ最高経営責任者(CEO)に就任。93年、崩壊の淵にあったIBMの会長兼CEOになる。その後数年のうちにIBMを再生させ、90年代を代表する経営者として称賛を浴びる。2002年春にCEOを退任し、同年末までIBM会長。このほか複数の公職、社外取締役を兼務。また教育分野での貢献によって数多くの賞を受けている。

 

<著者の主張>

崩壊の淵のIBM再生の物語

 

<ポイント>

最初の戦略会議

戦略を議論しているのに、本当の意味での戦略的裏付けがないに等しいことであった。

顧客のセグメンテーションには一度も触れられなかった。他社の競合製品と比べられることもほとんどなかった。種々の話題を総合して、IBM全体として見方をまとめられることはなかった。

 

問題のある点

やみくもに権限分散を急いでおり、経営幹部はこぞって「自分の部門を子会社にしてくれ」と言っている

部門横断的な問題が迅速に解決されていない

 

IBMでは、MCの一員になることこそ出世の究極の目標だとされていた。

 

CIOの肩書をもつものが128人もいた。

 

IBMに求められているのは、各事業についての冷徹で、市場動向に基づく実効性の高い戦略だ。つまり、市場での実績を高め、株主価値を高める戦略だ。

 

私の経営哲学と経営方法

・手続きではなく、原則で管理する

・やるべきことを決めるのはすべて市場である。

・品質、競争戦略・計画、チームワーク、ボーナス、理論的な責任の重要性を確信している

・問題を解決し、同僚を助けるために働く人材を求めている。社内政治を弄する幹部は解雇する

・私は戦略の策定に全力を尽くす。実行は経営幹部の仕事だ。悪いニュースは隠さないように。私に問題の処理を委ねず、横の連絡によって解決してほしい。

・速く動く。間違えた場合でも、行動を起こすのが速すぎたためなら、まだ良い。

・組織階層は意味をもたない。会議には地位や肩書に関わらず、問題解決に役立つ人を集める。委員会や会議は最小限に減らす。委員会で意思決定する方式はとらない。意見交換は率直に行う。

・私は技術を完全に理解しているわけではない。技術を学ぶ必要はあるが、完全に理解するとは期待しないように。部門責任者は、技術の言葉をビジネスの言葉に翻訳するのが役割だ。

 

【読書レビュー】『日本辺境論』 内田 樹

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

f:id:manganogakumon:20160605074007p:plain

 

■お薦め度:☆☆

 

■タイトル:『日本辺境論』

 

■著者:内田 樹 (たつる)

1950年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門は、仏現代思想、映画論、武道論。

f:id:manganogakumon:20160605074057p:plain

 

<著者の主張>

日本人は辺境人である。

 

<ポイント>

【読書レビュー】『人生一手の違い』 米長邦雄

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

f:id:manganogakumon:20160530230118p:plain

 

■お薦め度:★★

 

■タイトル:『人生一手の違い』

 

■著者:米長邦雄

1943年山梨県生まれ。13歳で佐瀬八段に入門。中央大経済学部に学ぶ。棋聖戦で初タイトルを獲得。93年7度目の挑戦にして悲願の名人位を獲得。史上最年長名人となる。

 

 

<著者の主張>

将棋の世界と人生について

 

<ポイント>

名人の父親 谷川憲正 40歳まで金がなくて独身。一度も怒らず。

30年もの貧乏暮らしは辛い。何が腹立つかといえば隣の人が金をもっていて自分が無一文ということほど腹の立つことはない。

 

山崎学

普通の子どもであれば、「正座をせい」といえば1も2もなく正座する。

ところが、山崎は納得がいかなければ反論する。師匠に堂々と説教する。

天衣無縫というか発想がユニーク。小ぢんまりとして固まったところがない。人間臭いのである。

「将棋の世界は、強いものをまわりがいっそう強くするようなところがあるんですよ。僕が内弟子生活で学んだのは、自分のことは自分でやるしかない。このことです。」

 

勝負所の一手

将棋のむずかしさ、自分の限界に気がつく

そういう壁にぶつかったときにどうするか。じぶんがこれまで一番いいと思ってやってきたことと、まったく違ったことをやらなければいけない。

 

羽生の強さ 泥沼流

強いものほど、局面を広くし、相手に選択させるという指し方をするものである。

 

武田信玄の遺訓

戦は五分の勝ちを上とする。七分の勝ちを中とする。十の勝ちを下とする。

 

勝負の世界では「これでよし」とする消極的な姿勢になるのが一番怖い

 

羽生の勉強法 将棋漬け生活

ある時期集中して研究し、しばらく休む方式より、毎日コツコツと勉強する方が、「新しい流れ」についていくためには向いている

 

嫉妬される側に立つ

努力をすることは大切。⇒努力をすれば成果があがる。⇒成果が上がった分だけ嫉妬される。⇒嫉妬に気がついたら配慮しなければいけない。

人間はいかなる場合も嫉妬する側でなく、嫉妬される側に立たなければいけない。

 

株というのは、100人の内80人、90人が「絶対に上がる」と思った時が天井そこから暴落が始まる。

 

職業は人格を創る

母親が息子に入ってもらいたい会社はダメ ※落ち目

 

【読書レビュー】『戦艦武蔵』 吉村 昭

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

f:id:manganogakumon:20160530225826p:plain

 

■お薦め度:☆☆

 

■タイトル:『戦艦武蔵』

 

■著者:吉村 昭

 

<著者の主張>

極秘の国家プロジェクト戦艦武蔵の造船と沈没まで 

 

<ポイント>

【読書レビュー】『オレ様化する子どもたち』 諏訪 哲二

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

f:id:manganogakumon:20160530225043p:plain

 

■お薦め度:☆☆

 

■タイトル:『オレ様化する子どもたち』

 

■著者:諏訪 哲二

1941年千葉生まれ。「プロ教師の会」代表。東京教育大学文学部卒業。立川越 女子高校教諭を01年3月に定年退職。

 

<著者の主張>

 

 

<ポイント>

良い教育とは「のびのびして厳しい教育」

 

今や「客観的」と「主観的」の境界はなくなった。主観と客観の近代の二分法はもはや成立しない。「自分がこう思う」はみんなも思っているに違いないと確信する子ども。

⇒「オレ様化」する子ども

 

 

■用語

メルクマール:目印・指標

【読書レビュー】『フェルドマン博士の 日本経済最新講義』 ロバート・アラン フェルドマン

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

 

f:id:manganogakumon:20160530220843p:plain

■お薦め度:

 

■タイトル:『フェルドマン博士の 日本経済最新講義』

 

■著者:ロバート・アラン フェルドマン

1953年アメリカ・テネシー州生まれ。70年AFS交換留学生として初来日。76年、イエール大学で経済学、日本研究の学士号を取得。国際通貨基金IMF)、ソロモン・ブラザーズを経て、98年モルガン・スタンレー入社。現在同社のチーフエコノミスト

 

 

<著者の主張>

 日本経済の現状について

 

<ポイント>

経済学とは、「希少資源の最適な利用の学問」⇒希少性からくる争いを減らし、世界を平和にすること

 

■幼少期の成長環境

良い人生⇒知識を得ること

 

グローバル化には、いったん競争力を失った国からは、貴重な資源や人材がたちまち他国に流れてしまう。

 

日本経済の強み:

1)豊かな水と農地

 日本の今後の成長産業は農業

 

2)技術

 先端技術はますますオタクの世界へ

 

日本経済の弱み:

1)人材育成

 高齢者のために使っているお金と若者のために使っているお金の比重

 ⇒国家予算の社会保障費:127兆円 その内年金は約56兆円

 

2)教育

 義務歳出にお金が流れていて、教育に回す分が足りません。だから学校の教育水準が非常に悪くなっています。

 

アメリカの優れている面

 1)自己責任で企業を起こして儲けようという精神

 2)移民文化  例:オバマ ケニア出身の父

 

中国経済の問題の根源

 1)資本の使い方が良くない

  ⇒不動産(マンションへ投資)し、株へ投資。2014年半年で2倍へ2015年6月に暴落

 2)石炭依存になっているエネルギーと環境の問題を解決できるかどうか?

 

アベノミクスの新しい点

 デフレ脱却、財政再建、成長加速の3つの目標に、金融政策、財政政策、構造政策という3つの政策道具を噛み合うように利用していること。

 

非常にオーソドックスなスタイル。

 国債発行と公共事業、移転支出でマネーを民間に供給するケインジアン型の政策と、中央銀行量的緩和によってマネー供給するマネタリスト型の政策を同時に実行し、そこへソロー型成長戦略を組み合わせるようになっている。

 

なぜ財政改革ができないのか?

 ⇒政治は既得権益に弱いから、そして有権者は甘いから

 

原発に未来はあるか

 ⇒ない 福島第一原発の自己処理20兆かかっている

 

雇用と労働について考えるとき、大事な原則

 1)同一労働同一賃金 ⇒正規非正規 fair=efficient 公平公正=効率

 2)適材適所 ⇒年金による転職リスク 労働の移動が起きにくい

 

終身現役社会

 労働寿命を伸ばそう ⇒年をとっても人間の学習能力は衰えない

 

医療

 患者も賢くならなければいけない。サービスの提供者と受給者の知識の格差が大きいのが医療現場。必要のない検査や薬は断る知識が必要。

 

地方再生

 DID:Densely Inhabited Districts 人口集中地区

地方経済が行き詰まった理由:選挙制度

 自立できる地方より、中央にいる政治家や官僚が地方政府のトップにお金を配れば、双方が都合のいい制度になっている。

 

■用語

ゾーニング規制:都市用途規制

 

ケインジアン型:
 日本は需要不足にあるので、国債を発行し、公共事業を行いマネーを直接民間に供給すれば、「乗数効果」によりデフレ不況を脱出できる。
 この考え方をとった政治家の代表は、小渕首相でした。そのまえの橋本龍太郎内閣が緊縮財政・消費税増税などを行なったことにより、山一證券の破綻など急速な景気冷え込みとデフレの顕在化を見ました。そこで橋本内閣を引き継いだ小渕首相が景気テコ入れ策として公共事業を実施した結果、株価は1998年11月の12800円から2004月の20800円まで反騰しました。
 ただし、国の長期債務残高は、1997年の約500兆円から2001年には約700兆円と急速に増大し、歳出に占める国債費の割合が高止まりするようになりましたし、デフレ脱却も達成されませんでした。

 

マネタリスト型:
 現在の日本は需要不足にあり、日本銀行は金融緩和を行えば 日銀→市中銀行→企業のルートでマネーが行き渡りデフレを脱却できる。
 小渕内閣の積極財政政策で景気が上向き加減になった時、当時の日銀・速水総裁はゼロ金利政策を解除したものの、ITバブル崩壊もあり、再び景気は急速に悪化しました。 当時の日銀審議委員・中原伸之氏がひとり主張していた量的緩和政策を速水総裁他の審議委員も賛成せざるを得なくなり、2001年3月量的緩和政策が実施されました。*2 この後2002年以降、冒頭書きました「戦後最長の好景気」となりました。 ただ、給与所得者から見て景気回復実感はなく、デフレ脱却も達成されませんでした。

 

CRICサイクル

・危機:Crisis

・反応:Response

・改善:Improvement

・怠慢:Complacency

 

 

【読書レビュー】『日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機』 三浦 展

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

f:id:manganogakumon:20160509053847p:plain

 

■お薦め度:☆☆

 

■タイトル:『日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機』

 

■著者:三浦 展

1958年新潟県生まれ。社会デザイン研究家。一橋大学卒業後、株式会社パルコに入社。情報誌「アクロス」編集長を務める。99年、カルチャースタディーズ研究所設立。家族、若者、消費、都市、階層化などを研究

 

f:id:manganogakumon:20160509054419p:plain

 

<著者の主張>

人口オーナスにより、日本の地価は3分の1になる。

 

<ポイント>

日本で起きた3度の地価上昇

1回目は1950年台半ばの高度経済成長。1964年の東京オリンピック。1次産業から2次産業への構造シフトにより、工業地を中心に地価上昇。

2回目は住宅地が中心。1972年田中角栄が提唱した「日本列島改造論」が発端となり、地方で住宅地価が上昇。大都市圏でも60年代に流入した人口が住宅取得期に入り、住宅需要が増加した。

3回目はバブル期。産業地中心。2次産業から3次産業へ構造シフト。オフィス街の価格が一気に上昇。

f:id:manganogakumon:20160509054814p:plain

 

東京のような世界都市でこれほど純血主義的な都市はない。

ミュンヘンも3割は外国人、東京は3%

 

経済成長のためには、訪れたい日本、東京、住みたい日本、東京にすることが重要なのである。

 

北九州家守舎

空き家だらけだった古いマンションにセルフリノベーションを希望する人を集めて満室にした。DIY可能な賃貸住宅ばかりを紹介する不動産仲介サイトで募集をかけ、4ヶ月で6部屋の空き家を埋めた。

 

移民をどんどん受け入れることでバンクーバーは地価を維持している。

 

移民受け入れの問題

 「移民を入れる」という「上から目線」がいつまで成り立つのか。

   ⇒新興国が台頭したら、はたして日本にくるのか?

 日本人がしたがらない単純労働を移民にさせようとしている点。