【読書レビュー】『選択の科学』 シーナ・アイエンガー
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『選択の科学』
■著者:シーナ・アイエンガー
1969年、カナダのトロントで生まれる。両親はインドのデリーからの移民で、シーク教徒。1972年にアメリカに移住。3歳の時、眼の疾患を診断され、高校にあがるころには全盲になる。家庭では、シーク教徒の厳格なコミュニティが反映され、両親が、着るものから結婚相手まで、すべて宗教や慣習で決めてきたのをみてきた。
<著者の主張>
人は可能な限り選択の自由を求める
<ポイント>
・選択は本能である
キャラハン:漂流して生き延びる人 ⇒死を選択しない (過去の経験から)
・選択肢を増やしても利益がでなくても、本能的に選択の幅を拡大させようとする
選択したいというのは自然な心の動き、生き残るために欠かせない動きだからこそ発達したのだろう。
・選択ができない状況は一時的には良いストレスになるが持続することが悪い結果になる
⇒野生のアフリカ象の平均寿命56歳だが、動物園の象の平均寿命は17歳
どんなに進んだ動物園であっても、動物が野生で経験するような刺激や自然な本能を発揮する機会を与えることはできない
※社長は長生きする
・人々の健康に最も大きな影響を与えた要因は、人々が実際にもっていた自己決定権の大きさではなく、その認識にあった。
・ガンやHIVのような悪性疾患との闘病においても、回復の見込みがないことを断固として受け入れない姿勢が、生存確率を高め、再発の可能性を減らすか、死を遅らせる。
・肉体的には奴隷でも、精神的にはきわめて自由奔放
・自己選択が可能な時、最も成績が良く、課題に自発的に取り組む時間も長かった。
・平均以上効果:自分を平均以下と評する人は全体のほんのわずかな割合でしかない
・だれもがことあるごとに自分だけは人とは違うと自分に言い聞かせている
⇒根拠は自分自身に対する親密度 自分のことは自分がよく知っている
・旅は自分を知るよい方法 自分にぴったりの場所に到達するまで少し旅が必要
・人は認知的不協和を回避して、自分自身についてつじつまの合う物語を生み出せる
⇒過去の物語を作り替える
・自分を実際よりよく見せたいという誘惑に屈しないこと。
職場で自分の地位や評価を高めようという魂胆が見え見えの人たちは、集団を混乱させる存在とみなされるため、結局評価が低下した。
・ヒューリスティック(経験則)
・毎回何度も決断を下ろしているが、ただ繰り返すだけでは選ぶ能力は向上しない。