【読書レビュー】『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件』 楠木 建
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★☆
■タイトル:『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件』
■著者:楠木 建
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。1964年生まれ
<著者の主張>
戦略の神髄は思わず人に話したくなるような面白いストーリーがある。
<ポイント>
イケてる戦略は確かに面白くもっと聞いてみたくなります。
あなたの会社の戦略はなんですか?
違いをつくってつなげる:戦略の本質
つながり:シンセンス 統合
数字よりも筋
ストーリーの面白さは、戦略実行にかかわる社内の人々を突き動かす最上のエンジンになる。
物事の起こる順番
まずは業界標準以上の高い利益水準を達成する。利益を出し続ける。投資家は評価する
直接狙っていたのは長期利益、時価総額の最大化を最初から狙ったわけではない。
例:なぜマイクロソフトは高い株価を維持できたのか
時価総額極大化経営
意図的に51%以上の株式をもたない ブランドネームやロゴマークも統一しない
投資家としての位置付け
企業価値を高めるためにも経営は市場を向いてはいけない。
ステークホルダーを優先ではなく、向くべきゴールは持続可能な利益
利益はどこから生まれるか?
利益の源泉
1)業界の競争構造
松井秀喜はなぜ金持ちになれたか。☓優秀だから、◯プロスポーツの中で野球を選んだから
業界による利益率の差
競争戦略の分析枠組み ファイブフォース force圧力 マイケル・ポーター
業界内部の対抗度 rivalry
新規参入の脅威
代替品の脅威
供給業者の交渉力
買い手の交渉力
2)戦略
競争戦略=どうやって儲けるか?
種類の違いか程度の違い
ポーター:ビジネスポリシー
戦略策定に有用な手続きや技法の寄せ集め
SPの戦略とは、活動の選択
何をやり、何をやらないのかをきめる。
他者と違ったことをする⇔OC(組織能力)他者と違ったものをもつ
OC:競争に勝つためには独自の強みをもちましょう。
他社が簡単に真似できず、市場でも容易には買えない。
セブン-イレブンの戦略の鍵
SPよりもOCにある。
仮説検証型発注 ⇔ウォルマート 自動発注システム
発注の意思決定は本部ではなく店舗にある。 店舗にコミットさせる。本部のデータと経験と勘を自由に組み合わせることができる。ローカルの漏れた情報をキャッチできる。
他社ができない理由
暗黙性:因果関係の不明確さ
経路依存性:歴史的プロセスをもう一度辿らないといけない
OCそのものが時間とともに進化する
2001年スタート、4年の内に300億円売上、100億円の営業利益
狭域情報誌、ホットペッパー事業のコンセプト ◯生活圏 ☓関東、東京
前身サンロクマル7年たっても黒字化できず、36億円の累積赤字
売上目標はあったが事業の目的がなかった。
全てはコンセプトから
誰に嫌われるか