【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『民藝とは何か』 柳 宗悦

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

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■お薦め度:★★☆☆

 

■タイトル:『民藝とは何か』

 

■著者:柳 宗悦

1889 年生まれ。東京帝国大学哲学科卒。宗教哲学者、民藝運動の創始者。

 

<著者の主張>

名も無き実用性のある民藝品の美しさについて

 

<ポイント>

近代民芸の注目が高まってきたが、真意が正しく理解されていない。

 

民藝品はごく普通のもの、いわゆる上等でないものを指すため、ひいては粗末なもの、下等なものという聯想を与えました。このため民藝品は工藝品の中に正当な位置をもつことができずに愛を以って顧みるものがほとんどなかった。

 

主に民間で使われるもの。したがって作者は無名の職人であり、作物にも別に銘はない。

 

民藝品の美しさがほとんど全く認められていない。

 ⇒野花の美を忘れるのと同じ

 

元来茶入は支那から渡った薬壺であったと言われる。そうして茶碗の多くは南朝鮮の貧しい人が使う飯碗でした。あの水指や花瓶ももとは塩壺や種壷だった。

元来実用品で全くの民藝品でした。何一つ美術品として工夫されたものではない。だから初代の茶人たちは鋭くもそれらのものの美に打たれた。

 

「ゆがみ」や「傷」にも美を認めました。

 

美しさのために作った器よりも、用のために作った器の方がさらに美しい。

用とは奉仕。仕える者は着飾ってはいられません。

 

利己に基づく商業主義と、無我より出ずる美とが反撥するものであるのを誰もが気づくでしょう。

 

奢る者より質素な者の方が神の意に適っている。