【読書レビュー】『リー・クアンユー、世界を語る』 グラハム・アリソン
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★☆☆☆☆
■タイトル:『リー・クアンユー、世界を語る』
■著者:グラハム・アリソン
<著者の主張>
<ポイント>
シンガポール国民の所得は、大半のアメリカ人を凌ぐまでになっている
世界最強の国家になることが、中国の意志
日本も韓国もいやでも中国市場に取り込まれる
中国は軍事力を行使することなく、周辺諸国を吸収できる
中国政府は外国の有能な人材を誘致したり、その才能を取り入れたりすることを厳しく制限
⇒英語の思考法によって新しい発見や発明につながる効用をも考慮し世界に向けて門戸を開放すべき
中国は民主化しない⇒もしそうなれば中国は崩壊する
アメリカは二流国家に転落しない。
⇒多様性があるから。独創性、回復力、革新的な精神。 向こう数十年ゲームのルールを決めるのはアメリカだ。
歴史を振り返ると繁栄した帝国はいずれも民族や言語、宗教や文化の異なる人々を受け入れ取り込んでいる
アメリカには「やればできる」という姿勢がある。起業家精神 「ゼロから始める」文化
最終的に大国間で軍事競争に発展することはない。牽制し合いながらも経済・技術の競争に発展するからだ。
国家の発展に必要なのは、民主主義ではなく規律。
民主主義が蔓延しすぎると無統制や無秩序につながり、国家の発展を妨げる。
イスラム原理主義の目的
イラクからアメリカを追い払うこと
指導者の務めは国民に自信をもたせ、自分の足で立たせること。
人間は残念ながら本質的に悪である。だから悪を抑える必要がある。
傑出した頭脳こそが、歴史的な進化や経済ダーウィン説などよりも「社会的公正」をもたらし、よりよい制度を考えだしてきた
■用語
1918年、現在の東ケープ州東部に位置するトランスカイの村の首長の子として生まれる。大学在学中の1944年、アフリカ民族会議(ANC)に入党。ANCの青年同盟を創設して反アパルトヘイト運動に取り組む。1952年に弁護士事務所を開業。1961年、民族の槍という軍事組織を作り司令官に就任。それらの活動により1962年に逮捕。国家反逆罪終身刑となり、ロベン島に収監される。1989年、当時の大統領フレデリック・デクラークと会談。1990年に釈放される。翌年、ANC議長に就任。デクラークと協力して全人種代表が参加する民主南アフリカ会議や多党交渉フォーラムを開催。1993年、ネルソン・マンデラは、デクラークとともにノーベル平和賞を受賞。1994年に南アフリカ初の全人種参加選挙が実施され、ANCが勝利。ネルソンは大統領に就任し、民族和解・協調を呼びかけ、アパルトヘイト体制下での白人・黒人との対立や格差の是正、黒人間の対立の解消、経済不況からの回復として復興開発計画などを実施した。1999年に政治の世界から引退。その後、ユネスコ親善大使に就任。2013年12月5日ヨハネスバーグの自宅で95年の生涯を閉じた。