【読書レビュー】『ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」』 川村 隆
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」』
■著者:川村 隆
日立製作所相談役。元取締役会長。
1939 年、北海道生まれ。62年東京大学工学部電気工学科を卒業後、日立製作所に入社。
<著者の主張>
ラストマンになれ。
「この工場が沈む時が来たら、君たちは先に船を降りろ。それを見届けてから、俺はこの窓を蹴破って飛び降りる。それがラストマンだ」
<ポイント>
当たり前のことをきちんとしかし楽観的にやり抜いてみる
ラストマン:最後に責任をとろうとする意識のある人
人生の大きな岐路
69歳の時に日立製作所の社長への要請。7000億円の赤字を抱えている状態。
リスクを回避して事なきを得るか、責任を前向きに受け止め前進するか。
⇒ラストマンになる意識。2014年の5年間で日立グループを過去最高益まで復活。
会社内に「お仲間」を作っても意味がない。「話しあい」だけ続けていても変化は起きない。
全日空61便ハイジャック事件
「マニュアルなんて関係ないだろ!」
「このままでは墜落するおそれがあるので、自分たちが突入しようと思う。自分を信頼して協力してほしい」
⇒一度はなくしたも同然の命。一生に一度は大きな組織を動かす意思決定者になるのもいいのではないか。
社長は自分からなりたいと思ってなるものではなく、その時代が求めた人物が抜擢されるもの
自分がみんなの給料を稼ぐという意識
アメリカ大統領:ハリー・S・トゥルーマン
The buck stops here. 仕事の最終責任は私にある。
大抵の改革はスピードさえあればなんとかなる
外から日立製作所を見ることができたので、何が根的な問題かよく理解できた。
倒産する可能性のない会社はない
大事なのはどん底におちないことではなく、どん底におちてからいかに復活するか。
意思決定者を少なくすると「結論が尖る」
⇒そもそも全員を満足させることはできない。
緊急時を切り抜ける方法
・出血を止める
・キャッシュを生む事業を見つける
「日本の産業はスマイルカーブ」
上流や下流は高い利益率だが、中流は低くなる
健全な競争こそ、人や組織を発展させる
⇒社員の尻に火をつけ、健全な競争を生み出す「仕組み」をつくる ※社内カンパニー制
会議で結論をだすこと
・時間を区切ること
・情報不足でも必ずきめること
稼ぐ意識を持っていますか?
「お金の匂いがするかどうかで見極めなさい」
流れない水は腐る 「平時の構造改革」
⇒漢方医学、未病を治す
数字以外の話もできるか
⇒ビジョン・戦略を描く。 予算だけでは人は疲弊する
「情」より「理」をとれ
情を理解しつつ、理をとることができる人間
修羅場体験で人は覚醒する
開拓者精神を忘れていませんか?
「恕」
思いやり ※孔子
夜遅くまで、「俺とお前は仲間だ」と確認しあうだけの飲み会には付き合わなくてもいい
Remember,the best is yet to come!