【読書レビュー】『職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論』 小杉 俊哉
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論』
■著者:小杉 俊哉
合同会社THS経営組織研究所代表社員。慶應義塾大学SFC研究所上席所員
1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、NECに入社。マサチューセッツ工科大学
スローン経営大学院修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を歴任後独立。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を経て現職。
<著者の主張>
経営者になるには「企業で出世して社長になる」「起業して社長になる」でもない第三の道がある。自己成長のために正しいエネルギーを使い必要な努力をしてほしい。
<ポイント>
日本の大企業の課長の平均年令40代後半
プロ経営者として企業の変革、再生、成長に寄与するという生き方
「この業界ではこうなんだ」という経験に縛られている場面があるのだとすれば、それを打ち壊さなければ変革などありえない。
プロ経営者の転職回数のボリュームゾーンは
4社〜5社
全員に共通すること、様々な機会から学習しようとしてきたこと、現在もそのような学習をし続けている。キャリア上に非連続な試練に直面し、それを乗り越えるべくストレッチされた経験をもっている。
子供時代の過ごしかたに後にリーダーとなることにつながる共通の特徴はない
8勝7敗、つまり一つでも勝ち数が多ければ、力士は次の場所で番付に上がる。
成功したものより失敗したものの方がより多くの教訓を私にくれた
プロ経営者になる
「プロ経営者」になる。〜経営者インタビュー〜 | キャリアインキュベーション
自分の表情や態度次第でここにいる人たちの気持ちが変わる。会社の空気が一変する。
バランスシートを手にして、その全責任を負う、という体験だけが教えてくれることがある。
社長がしなくてもよいことなんて会社の中には一つもない
仏教の曹洞宗の教え
「一如」すべてのものと一体となりなさい。何事も受け入れなさい
「身心脱落」無心になりなさい
「只管打座」ひたすら座していなさい
ベンチャーは上場を目指している期間はメンバーのモチベーションも高い
上場を果たすとモチベーションの停滞期がやってくる
アイデンティティについて
何人でもいい。「いい人」はどの国でも「いい人」
社長をやりたいのであれば、まずはどんな形でもよいから社長業を経験すること、それにはまず事業責任を負う立場を経験することが必要
■用語
ターンアラウンド
RSU (Restricted Stock Units):
アメリカでは、RSU(制限付き株)というものを所謂ストック・オプションとは違ったものとして、社員に与えている企業があります。
この大きな違いは、こんな感じ。
• ストックオプションは株をある一定価格で購入する権利であって、株を購入しない限り利益も不利益も被らない。
• RSUは、一定の株自体を数年に分けてもらう権利で、実際にキャッシュバリューがある。
このようにストック・オプションは株の価値が上がったら、実際にその株を買って、それを売って、現金を手にできます。
その反面、RSUは実際の株がもらえるので、数回に分けてもらえる株自体はすぐに売ることが出来ます。
これだけ見るとRSUのほうがよさげに見えますが、RSUは賞与に含まれてることが多いので、年収にも反映されます。
なので、仮に会社の株が30%落ち込むと自分のRSU分の年収が額面から30%おちることになります。