【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『昭和16年夏の敗戦』 猪瀬 直樹

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

 

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■お薦め度:☆☆

 

■タイトル:『昭和16年夏の敗戦』

 

■著者:猪瀬 直樹

 1946年長野生まれ。07年に東京都副知事に任命される。

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<著者の主張>

天才が集まって、敗戦がわかっていて、戦争したくない人間が首相になっても、それでも戦争は 起きる。戦争はなにも理解していない世論が起こす。

 

<ポイント>

面接という言葉は総研によって初めて生まれた。

 

「体育訓練の国家的重要性」

ヒットラーも体操を重要な柱として「成功」していたことを考えれば、こうした方針が打ち出されるのにも趨勢としてうなずける。

 

※趨勢:物事がこれからどうなってゆくかという、ありさま。なりゆき。

 

支那撤兵

東郷外省「撤兵しても、経済は経済で成り立てばいいではないか。」

 ⇒「現実を忘れた主張せり」と嘲笑

 

近衛内閣時代の東條は陸軍大臣として主戦論ぶっていた。その東條が総理大臣に指名されたので開戦は必至とみる国民は多かった。アメリカもそう見ていた。天皇と東條との蜜室の契約を知るものは奥の院の一握りの人間たちにすぎない。世の中全体が開戦のうねりの中にあった。そのうねりをつくった責任者の一人がかつての東條だった。

 

 

御前会議は予定通り日米開戦を決める。その日の夜明け、東條の妻カツは隣室から漏れてくる低いうねり声で目を醒ました。そっと襖に近づくと東條は布団に正座し号泣していたのだ。「独裁者」の慟哭を知るものは家族を除いて他にだれもいなかった。

 

昭和六年の満洲事変以来、戦争状態は非日常ではなく、平時になっていた。出征兵士を送り、モノを我慢する戦争状態こそ、日常生活感覚を支配していた。

 

 

ルーズベルト「日本をbabyにする(あやす)時期は終わった」

 ⇒石油を禁輸すれば、日本は南方に進出せざる負えない。日本の選択であったが、アメリカは、その選択を背後で決めさせる力をもっていた。

 

陸軍がアメリカと戦争をやるといったが、実際にアメリカとやるのは海軍。陸軍は自分がやらないから腹がいたまない。それで勝手なことを言った。最終的な判断は海軍がすべきだった。しかし海軍はやらないとはっきり言わなかった。