【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』 ダロン アセモグル , ジェイムズ A ロビンソン

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。 

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■お薦め度:

 

■タイトル:『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源』

 

■著者:ダロン アセモグル , 

マサチューセッツ工科大学(MIT)エリザベス&ジェイムズ・キリアン記念経済学教授。トルコ出身。英国ヨーク大学卒業後、1992年にロンドン・スクール・オブ・エコノミー(LSE)で博士号を取得。ジョン・ベイツ・クラーク賞を2005年に受賞。

 

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■著者:ジェイムズ A ロビンソン

 ハーバード大学ディビッド・フローレンス記念政治学教授。英国出身。

 

 

<著者の主張>

国家が衰退するか否かは、政治(制度)によって国民の力をどれだけ引き出せるかが重要

 

<ポイント>

 エジプト人にとって自分たちを抑圧してきたものの一部は無能で腐敗した国家であり、自分たちの才能、野心、創意、受けられる教育を活用できない社会である。

 

ラテンアメリカは世界で最も不平等な大陸になり、その潜在的経済力を奪われてしまった。

 

イングランド人が北米を選んだのはそこが魅力だったからではなく、アメリカ大陸の好ましい部分、つまり搾取すべき先住民がいて金山や銀山がある場所はすでに占領されていたからだ。

 

北米

「働かざるもの食うべからず」

ヴァージニア会社の目的は金を儲ける企業となることだったが、悲惨な二年間が過ぎたあとも、儲けは一切なかった。

⇒苦しい環境で人びとが活動できる制度が整備されていく。

⇒入居者へのインセンティブ

⇒全ての成人男性に植民地を律する法と制度の決定権が与えられた。(アメリカ合衆国の民主主義のはじまり)

⇒植民地が経済的に発展するための唯一の選択肢は、入植者が投資し、懸命に働くようなインセンティブを与える制度を生み出すこと

 

技術的躍進の原動力はイノベーションだった。それを先導したのが、新しいアイデアを応用することに熱心な起業家や実業家だ。

 

気候や地理と経済的成功との間には、単純なあるいは持続的なつながりはないのである。文化も関係ない。

 

国によって経済的成功の度合いが異なるのは、制度、経済の動きを左右するルール、人々を動機づけるインセンティブが異なるため。

 

包括的な経済制度は包括的な市場を生み出す。

国家が衰退するのは、収奪的な政治制度に支えられた収奪的な経済制度を持つ時だ。

 ⇒現状の収奪を継続するためにイノベーションが起きない。