【読書レビュー】『破壊と創造の人事』 楠田 祐 , 大島 由起子
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★☆☆
■タイトル:『破壊と創造の人事』
■著者:楠田 祐
戦略的人材マネジメント研究所代表
1953年生まれ、明治学院大学経済学部卒業。CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)、ベスト電器、NECを経て、98年にサイバックスを創業、社長に就任。08年には戦略的人材マネジメント研究所を立ち上げる。
■著者:大島 由起子
インフォテックノスコンサルティング(ICT)株式会社 セールス・マーケティング本部長。1965年生まれ。早稲田大学大学院修了。モナッシュ大学(豪)大学院修了。株式会社リクルートに入社。人事部採用担当、経営企画室、「就職ジャーナル」編集部を経て、フリーランスの編集者及びライターとして独立。
<著者の主張>
人事部がどれだけ人と組織のことを考える組織として活動していくことができるかが企業成功の鍵
<ポイント>
人事に求められるもの
アグレッシブからアサーティブへ
相手の立場や権利を認めつつ、自分の意見をさわやかに確信をもって主張し現場と調整もうまくできるタイプ
マーケットイン発想
社員がどうすれば戦力化するかを考える
コーポレートユニバーシティ
⇒次世代の経営層を選抜育成するための教育・研修を提供する機能
コーポレートユニバーシティの4つの失敗パターン
1)セレモニー型:HPでお祭り騒ぎを載せてあとで引込みがきかなくなる
2)アリバイ型:選抜研修ではなく、順番待ち研修
3)プロトタイプ型:プロトタイプのまま6年、7年継続する
4)パッチワーク型:他社のものをそのままぱくる
コーポレートユニバーシティが上手く機能するための3点、選抜研修・ポジション・報酬
動態的人材ポートフォリオ
「業務が創造的か定形的か」を縦軸に「企業特殊的業務か職業特殊的業務か」を横軸に
働き方ポートフォリオ
フレクシキュリティ
⇒フレキシビリティ+セキュリティの造語(企業が雇用調整を容易に行える)
辞めさせられた人に対して、国がきっちりと生活保障や次の仕事に移るために職業訓練を提供
メンターとコーチングの違い
メンター:自分の過去の経験からエピソードを相手に伝達してそれをモデルにさせる
コーチング:自分で考えてもらう
⇒コーチングは金メダルを目指す人のためにある。方法がわからないものを自分で考えさせる。
コーチングの方法
個人が考えている状況とリサーチから見えてきた組織の状況を照らし合わせてそのギャップを理解してもらい其の上でコーチングを始める
ビジネストップはアスリートと同じでコーチが必要
金メダルをとったあとの生活をイメージしないと金メダルはとれない
戦略人事に求められるビジネスリテラシー
1)人事の専門能力
2)ITビジネス能力
3)ソリューション能力
現場で実際に起きていることを知りたいという経営陣の要求に応える力
トップが現場に伝えたいと思っていることを現場が理解できるように伝えること
多様化する従業員の労働観や働き方を経営陣に伝える力
■用語
紺屋の白袴(こうやのしろばかま)
他人のためにばかり働いて、自分のことに手が回らないこと。