【読書レビュー】『戦略人事のビジョン~制度で縛るな、ストーリーを語れ』 八木 洋介, 金井 壽宏
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★☆
■タイトル:『戦略人事のビジョン~制度で縛るな、ストーリーを語れ』
■著者:八木 洋介
1955年京都生まれ。住生活(LIXIL)グループ執行役副社長。京都大学卒業。1980〜99年々NHKで人事などを歴任。日本GEでHRリーダーなどを務める。2012年より現職。
■著者:金井 壽宏(としひろ)
1954年兵庫生まれ。神戸大学大学院経営学研究所科教授。MIT経営大学院博士課程修了。
<著者の主張>
「継続性のマネジメント」ではなく「戦略性のマネジメント」をすべき
<ポイント>
デイブ・パッカード(HPの創業者の一人)
「我が社に人事部はいらない。人事はすべての人の責任であるべきだ」
⇒創業1939年か約20年間、人事部門をつくらず人材の採用も、社員の配置も、教育も評価も、経営者・ラインマネジャーがやってきた。
⇒人事部門ができたのは社員数1000人超えてから
ビル・ヒューレット
「人事部門の仕事は経営の質を高めることだ」
人事部は官僚化する
■戦略性のマネジメント
「現在」を見て勝つための戦略をたて、それを企業内の各機能に一貫性をもって反映させるマネジメント。
■継続性のマネジメント
「過去」を見て、企業における歴史的連続性を重視するマネジメント
年功序列は廃止すべき
本当に実力がある人が上につけば、組織はおのずと収まる。
通勤手当は不要
戦略とは「こうやって勝つ」と話の筋が通っていて、普通の人がきいて納得できるものでなければいけない
人間ほど生産性が向上する経営資源はない。
戦略人事における最大の課題はマネージャーやリーダーの育成。其の仕事には会社の命運がかかている。
「CEOの仕事の8〜9割は人の問題だ」
人事の仕事=人間のプロ
グローバル化に必要なこと
社員が建前で働く会社にすること
GE
評価はパフォーマンスとバリューの二軸のみ
評価は貢献度を主観で見る
組織開発ができなければ人事ではない
⇒人事は組織を活性化し、組織のパフォーマンスを最大化する役目がある
35歳転職限界説
⇒日本の管理職選抜システムのせい
リーダーは滅多に育たないから育てなければいけない
リーダーはリーダーにしか育てられない
リーダーの定義
ビジョンを描き、コミュニケーションによって人々を巻き込み、その人たち(フォロワー)とともに、ビジョンの達成にむけて様々なことを実行できる人。
「リーダーが責任をもって、進むべき道を指し示すには、例え自信がなくとも後ろに下がらないという姿勢が大事」
ウェルチのリーダーに求める4つのE
Energy:自らが活力に溢れていること
Energize:目標に向かう周りの人を元気づけること
Edge:タフな問題に対しても決断できること
Execute:言ったことをとことんまで実行していくこと