【読書レビュー】『ライフサイクル イノベーション』 ジェフリー・ムーア
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★☆☆
■タイトル:『ライフサイクル イノベーション』
■著者:ジェフリー・ムーア
ハイテク企業向けにマーケティング・コンサルティング・サービスを提供する「キャズムグループ」代表。米国ビジネス界を代表するコンサルタントの一人。
「キャズム」は1991年から現在に至る10年間売れ続け、いまやハイテク関連企業のバイブル的存在であり、スタンフォード大学ほか、多くの一流ビジネススクールにて課題図書となっている。
<著者の主張>
いかにすれば企業が永久にイノベーションを継続できるかについて
場面に合わせたイノベーションが必要。
<ポイント>
「クラス最上級を目指す」という考え方の罠にはまってはいけない。これは不適切な目標。適切な目標は「他社より上にたつ」
陥りやすい誤解
・イノベーションはそれ自身において価値を有する
・市場が成熟するに伴いイノベーションの必要性とその可能性は減少する
・イノベーションの本質はどの企業において同一である。
コンテキスト:差別化を行っても意味がないような環境
コアとコンテキストは収入の比率に従って注力度をわけるべきではない。
コンプレックス・システム型
顧客:数十社〜数千社
取引あたりの金額:数十万ドル〜数百万ドル
ターゲット顧客:適切な顧客が重要な資源
ソリューション・セールス:顧客のニーズや要望を見つけ出すことが必要
コンサル、インテグレーションが必要
ボリューム・オペレーション型
数十万人〜数百万人
単価:数ドル
売り込むよりも購入機会を提供する
プロモーションによる製品の引きつけが必要
顧客インティマシー(親密度)の向上のための4つのイノベーション
・製品ライン拡張イノベーション
⇒比較的大きな市場セグメントに対応させるイノベーション
アメリカン・エキスプレス:トラベラーズチェックの会社からクレジットカードビジネスに参入。不動産担保ローン、住宅ローン、当座預金、普通預金、定期預金、退職年金、投資信託、自動車保険、生命保険などのサービスを提供。
顧客にとって一つの会社で複数の取引ができるメリット
・機能強化イノベーション
⇒既存顧客からより多くの利益を得る。ロイヤリティを高める
スウォッチ:2005年度の春夏コレクション、ファッション、ダイビング、通信機能付きなど17カテゴリーで225種類もの腕時計を販売
・マーケティングイノベーション
⇒製品を変えずにマーケティング要素を変えることで競争力を高める
アップル:iPod。わかりやすい広告でターゲット顧客にアピール
ナイキ:カリスマ的スター(マイケル・ジョーダン、タイガー・ウッズ)を活用
⇒単なる運動靴からの脱却
⇒顧客が製品、ベンダー、営業マン、サービス提供者などと直接接触する時間およびそのプロセスやサービスの質にフォーカスした差別化を行うこと
ディズニー、テーマパークという市場カテゴリーを開拓
■用語
プロトコルとは、手順、手続き、外交儀礼、議定書、協定などの意味を持つ英単語。
インテグレーション
インテグレーションの用語解説 - 《統合の意》1 教育で、分離した教科や教材などを有機的に統合し指導すること。