【読書レビュー】年間100冊の軌跡

年に100冊読むと決めたので、その記録を残すためのブログ

【読書レビュー】『富と幸せを生む知恵』 渋沢 栄一

このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。

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■お薦め度:★★☆☆☆

 

■タイトル:『富と幸せを生む知恵』

 

■著者:渋沢 栄一

「日本の近代資本主義の父」1840年武蔵国(現在の埼玉県)の農家に生まれる。1863年「尊皇攘夷」思想の影響を受け、横浜焼き討ちを企てるが計画を中止し、京都へ出奔。1864年一橋慶喜に仕える。1867年パリ万国博覧会を見学、欧州諸国の社会、経済・産業、政治、組織などに触れる。1869年静岡に商法会所を設立。明治政府の大蔵省の一員として国づくりに深く関わる。33歳で大蔵省を辞した後は民間経済人として活動を開始する。そのスタートは「第一国立銀行」の総監役。第一国立銀行を拠点に株式会社組織による企業の創設・育成に力を入れ生涯に約500もの企業に関わる。さらに約600の社会・公共事業への支援並びに民間外交に尽力。91歳で生涯を閉じる。

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<著者の主張>

金はたくさん持つな。仕事は愉快にやれ。

※日本版「7つの習慣」

 

<ポイント>

金はたくさん持つな。仕事は愉快にやれ

 

孔子の教え「仁者は己立たんと欲してまず人を立て、己達せんと欲してまず人を達す」

自分欲望を満たすためには、まず人の望みを達成させよ。人の行動はこうでなければならない。

 

揺るがない「人生のものさし」を持て:道理

 

天命に従い、社会に恩返しを果たす

 

小さなことこそ心を集中させる

 働くときも真剣、遊ぶときも真剣

 

原因さえよければ、結果はかならず善いものになる

 

もっとも恐れるべきは慢心の時期

 

起業にあたっての4つの条件

 1)その事業は果たして成り立つのかどうか探求する

   ⇒なんといっても数字。緻密な計画

 2)個人の利益になると共に。国家社会の利益にもなる事業かどうかを知る

 3)その事業が「時機」に適合しているかどうか判断する

 4)事業が成立した時、その経営者に適当な人物がいるか

   ⇒事業は人なり、適任者がいなければ、事業は立ち上がっても運用に失敗する。

 

新規事業に出資する際の心得

会社創設を機会に、権利株を売って私腹を太らせようという魂胆であろう。最初から事業に対する誠意はなく、国家的観念で事業に加入するという意志はなかったに違いない。

⇒協力者の不道徳と不信用ほど恐るべきものはない。

 

天道はいつも正義の味方

誠実に努力すれば、かならず運命の扉が開く

 

お金持ちなのに、贅沢をしないでせっせと働く老人

「私は働くことがなにより楽しみだ。働いていくうちに楽しみの糟(かす)がたまる。これが世の中の金銀財宝であるが、私は死んだ後に残る糟など眼中にない」

 

人に対しては、誠実を少しも欠いてはならない。

司馬温公「妄語せざるより始まる」⇒嘘をつくな

 

克己心

己に克って礼に復(かえ)るを仁となす。一日己に克ち礼に復れば天下仁に帰す。仁をなす己に由(よ)りて人に由らんや。」

己は「物我の己」であるとすれば、克己心とはすなわち「物我の己に克つ心」。「本然の性」に立ち返らせる。

 

「天は自らを助くるものを助く」

人がそれぞれ働いて生活を立てるならば、その人一人の幸福にとどまらず、社会もまた平和で幸福なものとなる。

 

部下を叱る際には、真っ向から責めず。本人に気がつくことを促すこと。