【読書レビュー】『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press) 』 クレイトン・クリステンセン
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★☆
■タイトル:『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)』
■著者:クレイトン・クリステンセン
ハーバード・ビジネ・スクール教授。ボストン・コンサルティングにて主に製品製造戦略に関するコンサルティングを実施し、ホワイトハウスフェローとしてエリザベス・ドール運輸庁を補佐。1984年MITの教授らとともにセラミック・プロセス・システムズ・コーポレーションを起業し社長、会長を歴任。1992年に同社を退職しHBS博士課程に入学。わずか2年で卒業し博士論文は最優秀学位論文賞、ウィリアム・アバナシー賞、ニューコメン賞、マッキンゼー賞の全てを受賞。
<著者の主張>
業界をリードしていた企業がある種の市場や技術の変化に直面したとき、図らずもその地位を守ることに失敗することがある。
競争の感覚に研ぎ澄まし、顧客の意見に注意深く耳を傾け新技術に積極的に投資し、それでもなお市場の優位を失う優良企業の話。
成功している企業は、持続的技術に注力するために、破壊的な技術が来た時に失敗するケースがある。
<ポイント>
「技術」とは組織が労働力、資本、原材料、情報を価値の高い製品やサービスに変えるプロセス。イノベーションとはこれらの技術の変化を意味する。
「持続技術」と「破壊的」技術の間には戦略的に重要な違いがある。
技術の進歩より需要の変化のペースが早いケースがある。
成功している企業は新規参入企業と比較して、どのような投資を魅力的とするか
企業は過去に築いてきた能力の価値が技術革新によって破壊されたときに失敗し、新技術によって能力を高められれば成功する
技術のS字カーブは、技術戦略を考える際に最も重要なものである。Sカーブは、一定期間、または一定量の技術努力によって得られる性能向上の幅が、技術が成熟するにしたがって変化することを示している。
下から改め上がってくる新技術の脅威を予測し、適宜乗り換えられなかったことが、実績ある企業が失敗する原因