【読書レビュー】『経営の未来』 ゲイリー ハメル
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『経営の未来 』
■著者:ゲイリー ハメル
ロンドンビジネススクールで戦略論や国際マネジメントを教える。国際コンサルティング会社ストラテゴスを設立。経営論、戦略論の専門家として活躍しながら世界的企業のコンサルタントも務める。
<著者の主張>
今日の企業は経営管理にイノベーションを起こさなければいけない。
・科学を管理する
エジソン10日に1度小さな発明。半年に1度は大きなブレイクスルー⇒GE20世紀前半にアメリカで最大の特許を取得
・資本を配分する
デュポン、1903年投資収益率の数値を使い始め、それにより資本予算の配分技法の開発に先駆的な役割を果たした。
・無形資産を管理する
P&Gはブランド構築・管理により16ブランドで年間10億ドル以上の売上を生み出した。
・すべての社員の知恵を利用する
トヨタ「普通」の社員には複雑な問題を解決する能力があるという信念に支えられ、「Thinking People System」(TPS)2005年日本人社員から54万件以上の改善案を受け取った。
・グローバルなコンソーシアム(集団・団体)を築く
ビザの世界初の「バーチャル」企業の成功は、組織イノベーションのおかげ。
ビザの経営管理上の最大の課題は、銀行がインフラや規格やブランド構築について協力する一方で、顧客をめぐって競争できる組織を築くこと。2万1千社の金融機関と13億人のカード保有者を結ぶネットワークに成長。毎年2兆ドルを超える購買取引。シェア60%
戦争においても、長期的な軍事的優位を生み出すものは、大抵軍事ドクトリン(基本原則)や軍事組織の重要な進歩であり、単なる技術ではない。
イノベーションから優位を築くことが大切
業務イノベーション、製品/サービスイノベーション、戦略イノベーション、経営管理イノベーション
とてつもない問題解決への情熱(大胆になる)
スピード
現実否認
新しい戦略案の欠如 「サーチ戦略」たくさんの実験的PDCAにトライすること
イノベーションをすべての社員の仕事にする
創造が生まれないのは、人の問題ではなく機会の提供がないから
⇒すべての社員が自分の最高の力を発揮する環境を築く
管理を減らし、自由を増やすべき
階層を減らし、コミュニティを増やすべき
説教を減らし、目的を増やすべき
グーグル:大学院のように感じられる企業
ペイジとブリンは最初から自分たちがたむろしたいと思うような会社
世界で最も面白い問題に取り組むチャンスに目を輝かせたとびきり優秀な人がうようよしている会社を築くことを目指した。
Bランクの人間を採用しないこと
モチベーションの高いとびきり優秀な連中が共通のビジョンを持っている場合は、管理の必要がない。
<言葉>
プロスペクタス(目論見書)