【読書レビュー】『孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日』 嶋 聡
このブログでは、毎回自身で読んだ本について、その内容と骨子をまとめたものを掲載していくものである。
■お薦め度:★★★★★
■タイトル:『孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日』
■著者:嶋 聡
1958年岐阜県生まれ。名古屋大学経済学部卒業。松下政経塾第2期生。1996年より衆議院議員に当選。3期9年を務める(新進党→民主党)。2005年孫正義を補佐するソフトバンク社長室に就任。2014年4月より同社顧問。
■著者の主張
2014年ソフトバンクが売上6兆7000億円に達し、営業利益1兆円を超えたるまでの著者がソフトバンク社長室長としての8年3000日での出来事を綴っている。
(営業利益1兆円を超えた会社は日本経済史上NTT、トヨタ自動車、ソフトバンクの3社のみ。NTTは創業から118年、トヨタは65年、ソフトバンクは創業から33年の最短、最速での営業利益1兆円を達成。)
■主な出来事
ソフトバンクアカデミー
純増ナンバーワン、犬のCM開始
ジャック・マーへの20億円の投資
iPhone独占販売のジョブスとの裏話
光ファイバーの開放
■印象に残った内容と言葉
孫社長は大風呂敷を広げる経営者。
「有限実行はいい。自分を追い込んでいけるから」「10年以内にNTTドコモさんを抜きます」
孫社長、19歳で「人生50年計画」20代で名乗りを上げる。30代でぐう資金を貯める。軍資金は1000億円、2000億円と数える規模でなければならない。40代でひと勝負する。1兆、2兆と数える規模の勝負をする。
→48歳でボーダフォンを買収
「倒れそうだったらどうすれば自転車が倒れないか教えてやる。もっと必死にペダルを漕いでスピードを出せ。そうすれば倒れない。」
「絶対に勝つのだ。『勝ちグセ』をつけなきゃいけない。そのためには一度でもナンバーワンをとるのだ。1回勝ったら勝ちの味がわかる。そうすれば社員の士気が上がり、モラルも向上する」
「アリババのジャック・マーには動物的に『におい』を感じた。目つきが違った。だから投資を決めた。」
1億か2億でいいというジャック・マーに対して、20億の投資を即決。
iPhone独占販売について
「ジョブスとは金銭的な条件の交渉は一度もなかった。何台買えとか、いくらで買うのだという話は全くない。そんな次元じゃないんだ」
1兆円への道はイノベーションの連続。NTTの弱点は意思決定の遅さ。
53歳からの後継者育成、ソフトバンクアカデミー「後継者育成には10年かかります。」
「借金が少額のうちは債権者が強者で債務者は弱者だが、額が増大するやこの関係は逆転する点をカエサルは突いた
資金調達について「お金は天から降ってくる」
一流の勝負師なら、最悪を想定しなくてはならない。
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